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「朱い」ベルトを巻いた朱里が抱く「今のプロレス=危険すぎる」批判への違和感。「簡単に言ってほしくない」 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • 林ユバ●撮影 photo by Hayashi Yuba

 朱世界は、朱里の内面がこれでもかと表出する。人見知りで自分に自信がなく、いつも不安。一方で負けず嫌いでプライドが高く、ダークな一面もある。朱里のプロレスには、感情や生き様が滲み出る。

「感情は出やすいタイプかもしれないですね。すぐ泣くし。役者を目指していた時も、自分を解放したくて人を刺し殺す役を演じたりとか、そういうのは好きなのかもしれない。プロレスラーはみんな1試合1試合を懸命に努めているので、そのなかで選手の人生そのものを感じ取ってもらえたらいいなと思いますね」

朱里という"人間"を見てもらいたい

 昨年8月のインタビューのあと、わたしも朱里のように強くなりたくて総合格闘技のジムに通い始めた。しかし縄跳び1分でヘトヘトになってしまい、UFCまで辿り着いた彼女のすごさを痛感する日々だ。

「継続して、少しずつやれることを増やしていくといいですよ。勉強と一緒で、体力も継続しないとつかない。今、1分間頑張っていると思うので、もう少し経ったら1分半跳ぶとか。そういうことをちょっとずつやっていくと、体力がついていくと思います。

 わたしは自分に自信がないから、練習でカバーするんですよね。『これだけやってるんだから負けるはずない』と思えるまでやる。練習しないで勝てる人はいないと思うんですけど、わたしは不器用だから、周りよりも練習しないと結果が出ないと思っています」

 ハッスルでデビューして「強さを感じない」と言われた悔しさから、格闘技の試合に出た。すると今度は、「強いだけじゃないんだ」ということを示したくなったという。

「格闘技で結果を出して『強い』というイメージがついたけど、プロレスってそれだけじゃない。強さだけじゃなくて、諦めない気持ちだったり、何度も立ち上がる姿だったり、相手への思いだったり。強いだけじゃなくていろんな部分――朱里という"人間"を見てもらいたいです」

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