プロデビュー時の「色物扱い」から12連勝。無敗の女王・ぱんちゃん璃奈が考える「女子キック不要」の批判を覆すために必要なこと (4ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●田中亘 photo by Tanaka Wataru

――アンチからの声や、聞きたくない意見も届くと思うのですが。

「そのお陰で、動画の再生回数は上がりますからね。YouTube に上がっているRIZIN.30の私の試合も、再生回数は全体のトップ3に入っているので、みんなブーブー言いながらも見てくれてるのかなと。暴言などを吐く人は困るのでブロックするんですが、アンチの"意見"はブロックしません」

――アンチの声もエネルギー源になっている?

「すごくなっています(笑)。試合前は『アンチを黙らせよう』『悔しがらせたい』と思って練習しています。もちろん、ファンの方は試合に勝ったら喜んでくださるし、私のために泣いてくれる方もいるので、笑顔を見せたいという思いもありますよ。

 アンチは私がボコボコにされるのを見たいと思うんです。だから『今度こそ負けろ』と相手の選手をメッチャ応援するんですよ。だからこそ、私が勝った時の悔しさを考えると楽しいんです。メンタルが強いというわけではなくて、捻(ひね)くれているんですかね(笑)。あとは、勝つだけじゃなくて倒せればホンモノの選手になれるんですけど、なかなか判定でしか勝てず......。毎回、『次の試合こそ』と思っていますが、本当に次こそ実現したいです」

――注目の大晦日は?

「カードが決まるのはギリギリですが、もちろん出場を狙っています! 今は興行数が増えて、RIZINにもいろんな選手が出ていますが、大晦日は"日本格闘技の顔"という選手が出られる大会だと思っているので。出場が決まったらまたアンチが大騒ぎしそうですが、しっかり勝って悔しがらせたいです(笑)」

(後編:どん底だった7年間。「これを逃したら幸せになれない」>>)

取材協力:STRUGGLE

【プロフィール】
■ぱんちゃん璃奈(りな)

1994年3月17日生まれ、大阪府出身。幼少期から水泳をはじめ、中学3年の時に陸上部にスカウトされると才能が開花。しかし高校1年の時にオーバートレーニングによる疲労骨折で練習ができない日々が続き、高校を中退した。新たな環境を求めて上京し、現在所属するSTRUGGLEに入会。アマチュアで12戦11勝という戦績を残して2019年2月にプロデビューし、無敗のまま2021年9月にRIZINに初参戦して12連勝を飾った。現・KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者。リングネームは、『ドラゴンボール』に出てくる孫悟空の孫娘「パン」に由来する。

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