『焦るな!』『行くな!』。堀口恭司が明かす、朝倉海戦で肝に銘じていたこと (2ページ目)
――前回の敗戦を受けてかなり分析したと思うのですが、今回「これだけはやっちゃいけない」と思っていたことはありますか?
「自分が映像を見たのは5、6回くらいで、それで海くんの癖は分析できました。でも、(コーチの)マイク・ブラウンは、ずっと(朝倉選手の試合映像を)見ていましたよ。来日してからの2週間の隔離の間も、マイクのスマホを覗くと、いつも海くんの試合(笑)。そのおかげで、(マイクが)海くんの癖をマネして対策練習をしてくれたから、すごく役に立ちました。
これは(言い訳になってしまうので)あまり言いたくないんですけど、前回はあまり体調がよくなかったんです。『早く決めなきゃ自分の体がもたない』と思って、急いでしまったことでカウンターをもらい、あのような結果になったと思っていたから、今回は焦らずに。セコンドの指示も、ずっと『焦るな!』『行くな!』ばかりでした」
――堀口選手が所属するアメリカントップチーム(ATT)の名参謀と言われる、マイク・ブラウン氏のすごさを教えてください。
「本当に『すごい』のひと言。格闘技なしでは生きていけない人です。毎週、土日にはUFCの試合があるんですけど、ATTはめちゃくちゃ選手が多いから1、2人は出場するんですよ。(マイクは)そこに毎回セコンドでついているので、プライベートな時間はほぼない。普段の練習もプライベートレッスンで、1日に5人指導したりしています。研究熱心だし、コーチとしたら他に比べる人がいないくらいですね」
――朝倉選手との試合後に、マイク・ブラウン氏はすぐにアメリカに帰りましたよね。
「翌日には帰りました。1月23日のUFCの試合でセコンドにつかないといけないので。彼は人間性もすごいんですよ。自分は最近フロリダに家を買って、掃除ロボットの『ルンバ』を使っているんですが、それが壊れてしまって。試合のために日本に飛んでしまったので壊れたルンバをカスタマーサービスに送ることができなかったんですが、その手続きを今、ブラウンがやってくれています(笑)」
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