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井上尚弥はなぜ「世界2位」なのか。
PFP選考委員が考える1位との差 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 12月19日の対戦が有力視されているIBF世界スーパーミドル級王者ケイレブ・プラント(アメリカ)は、体格、身体能力、IQに秀でた好選手であり、メキシコの雄が苦しむ可能性も十分。そうなった場合、カネロのPFP評価は下落し、井上が年内にも1位に浮上する可能性が膨らんでくる。

 もちろん、こういった主観のランキングは"生き物"であり、状況が変わることもある。『リングマガジン』のPFPランキング3位のWBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード(アメリカ)が、11月14日のケル・ブルック(イギリス)との防衛戦で完璧な試合をすれば、浮上が考慮されるかもしれない。また、同5位にランクされ、12月5日にダニー・ガルシア(アメリカ)とのビッグファイトを控えるWBC、IBF世界ウェルター級王者エロール・スペンス・ジュニア(アメリカ)にも似たようなことが言える。

 それでも現時点ではっきり言えるのは、日本のモンスターの実力が世界の関係者から認められ、日本人として前人未到のPFPランキング1位に肉薄しているということ。"世界最高のボクサー"という夢のような称号は、本当に手の届くところにある。

 そんな背景のおかげで、私たちはカネロ、クロフォード、スペンスといったトップファイターたちの試合を、これまでと違った目で見ることも可能になっている。井上という怪物は、日本のファンに新しい世界ボクシングの楽しみ方をプレゼントしてくれた。

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