2020.10.31

井上尚弥の圧勝を米記者たちが予想。
「挑戦者とはレベルが違う」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

"モンスター"のラスベガスデビューが間近に迫っている。10月31日(日本時間11月1日)、ラスベガスのMGMグランド・カンファレンスセンターで、WBA、IBF同級王者の井上尚弥(大橋ジム)がジェイソン・マロニー(オーストラリア)との防衛戦を行なう。

 井上は、今年4月にWBO同級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との統一戦が決まっていたが、新型コロナウイルス感染拡大で流れてしまった。しかしその後、ランキング上位の実力者であるマロニーとの対戦が決定。アメリカでも動画配信サービス「ESPN+」で生配信される試合を、本場のファンも楽しみにしているだろう。

 井上の約1年ぶりの一戦はどんな展開になるのか。多くのファンの予想どおり、井上が強さを誇示するのか、マロニーに番狂わせを起こすチャンスがあるのか。ボクシング事情に精通するアメリカの4人の記者に、4つの質問をぶつけて試合の行方を占ってみた。

激闘になった昨年11月のドネア戦以来、井上は約1年ぶりの試合となる【パネリスト】

ダグラス・フィッシャー(『リングマガジン』の編集長。ロサンゼルス在住で、ビッグファイトではリングサイドの常連)

ディラン・ヘルナンデス(『ロサンゼルス・タイムズ』のコラムニスト。メキシコ系アメリカ人。語学に堪能で、英語、スペイン語、日本語を流暢に話す)

ライアン・サンガリア(『リングマガジン』のライター。フィリピン系アメリカ人。アジアのボクシング事情に精通する)

ショーン・ナム(『USA TODAY』などで活躍する韓国系アメリカ人ライター。精力的な取材で構築したネットワークによる、より深い部分まで切り込んだ情報に定評がある)

Q1.井上がマロニーに勝つためにやるべきことは?

フィッシャー 井上が早い段階からマロニーのボディを攻めれば、ボディ打ちでのKOもあり得る。あるいは相手のガードを下げさせ、顔面にパンチを決めてのクリーンなノックアウトも狙えるだろう。

ヘルナンデス 技術面では井上がかなり上で、レベルが違うと思う。マロニーも動きはきれいだが、井上のようにいいバランスで多様なパンチが繰り出せるわけではない。トップレベルのボクサーは攻防一体のボクシングができるものだが、マロニーは「攻める時」と「守る時」がはっきりしているので、井上は自信を持って攻め込めるはずだ。井上のような一流選手が快適に戦えるとしたら、相手にできることは少ない。その気になれば序盤ラウンドで試合を終わらせることも可能だろう。