小川直也Jrの優勝でさらに激戦。
男子柔道重量級は壮絶サバイバルに (2ページ目)
課題は、雄勢自身も口にしているように、一発で仕留める技がないことだろう。その点に関し、父親である直也氏は、以前こう語っていた。
「得意技がないのがアイツの弱点。今はいろんな技に取り組んでいて、それがバリエーションの豊富さにはつながっているけど、どうしても(成長を)急いでいるように見えるし、このままでは"二兎を追う者は一兎をも得ず"になりかねない。技は1年にひとつずつ磨いていけばいいとは思うけど、今はあえて何も言いません。俺の柔道を継ぐ以上は、俺のような柔道家を目指してほしい」
その小川に体格で勝るのが、身長189センチ、体重が実に160キロに迫る斉藤立(さいとう・たつる/国士舘高校1年)だ。2015年に亡くなった柔道界のレジェンドである斉藤仁氏の次男であり、顔だけでなく、試合中のちょっと落ち着きのないように首を左右に振る仕草までうりふたつ。
シニアデビュー戦となった講道館杯では、初戦(2回戦)を父親の得意技である体落としで勝利。しかし、3回戦では倍近い年齢の社会人選手に強引に技を掛けたところを返され、抑え込まれた。
しかし、大器の片鱗は見せた。敗戦後、報道陣の前に現れた斉藤は、やはり首を左右に振りながら、強気な発言も残した。
「技の威力に関しては、シニアの選手たちと差は感じませんでしたが、組み手と寝技がまったく手応えを感じられなかった。来年もこの大会に出場してリベンジし、国際大会とかにどんどん出場していって、この階級で一番強い相手をぶん投げたいです」
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