2017.11.14

小川直也Jrの優勝でさらに激戦。
男子柔道重量級は壮絶サバイバルに

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 東京五輪を3年後に控える現在、柔道の母国ニッポンの男子重量級は、エース不在の状況だ。

 100キロ超級のリオ五輪銀メダリスト・原沢久喜は不振の印象が色濃く、今春の全日本選手権で連覇を達成した王子谷剛志に次ぐ二番手の立ち位置に後退している。その王子谷と原沢は8月にブダペストで開催された世界選手権100キロ超級に出場するも、ともにメダルには届かなかった。

 同大会では東海大4年のウルフ・アロンが100キロ級を制し、初めての世界一に輝いた。しかし、リオ五輪の同階級銅メダリストの羽賀龍之介は2回戦で一本負け。柔道男子の重量級戦線はまさに群雄割拠。若手にもチャンスが広がり、東京五輪に向けた代表レースは混沌としている。

 そして、世界選手権代表が不在のなかで争われた今年の講道館杯(11月11日、12日千葉ポートアリーナ)は、虎視眈々と代表の座を狙う若手の活躍が光った。

講道館杯でシニア大会初となる日本一を達成した小川直也氏の長男・小川雄勢 100キロ超級では柔道王・小川直也氏の長男である雄勢(明治大3年)がシニアで初めての日本一。190センチ、137キロの体格を生かした左組みから相手の奥襟を掴んでいく柔道は、まさに父親譲り。相手を組み伏すような直也氏の豪快さとは異なるものの、決勝では明治大学の先輩であり、ロンドン五輪の同階級代表である上川大樹を大内刈り「一本」で破った。

「去年、この大会で負けて、ライバルたちとの差が広がってしまった。ライバルは世界大会とかに出ているのに、自分は何をしているんだろうって、悔しい思いをしました。自分は技が切れる選手ではないし、センスもない。地道に努力するというのが僕のスタイルです」