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波乱続きのRIZIN無差別級。
イランの「汚れた英雄」が強すぎる (5ページ目)

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji
  • photo by RIZIN FF/ Sachiko HOTAKA


 タックルも凄ければ、パウンドもヤバい。それはRIZINでのデビュー戦となった9月25日のトーナメント開幕戦のジョアン・アルメイダ戦でも証明されている。上半身への攻撃しか許されないグレコローマン出身らしく、両ワキ差しからテイクダウンを奪うと、横四方固めから自分の腕や足を使って相手の両腕を固定するポジション──いわゆる「マット・ヒューズポジション」でパウンドを連打してレフェリーストップを呼び込んだ。

トーナメント開幕戦でみせた、「マット・ヒューズポジション」からのパウンドトーナメント開幕戦でみせた、「マット・ヒューズポジション」からのパウンド かつてPRIDEで無敗を誇っていた頃のエメリヤーエンコ・ヒョードルのパウンドは「シベリアの凍土をも打ち砕く」と表現されたが、アミールのそれは「地球に穴を空ける」とまで評される。RIZIN参戦後、ある日本の関係者がタイ・プーケットでアミールのパウンドの練習を見て冷や汗をかいたという話を聞いた。「あんなパウンドを受けていたら、相手が本当に死んでしまうよ」。

 微笑の国でアミールが練習の拠点としているのは「AKAタイランド」。アメリカに本拠地を置く名門ジムAKAのタイ支部だ。ここには世界各国から様々な団体のヘビー級王者も来るのだが、アミールは自ら彼らを指名して打撃のスパーリングをするという。

 前出の関係者は「最初はお互いやさしくやっていたけど、3分ほど経ったらお互いムキになってローキックを100%以上の力で打ち合い、双方とも痛そうにしていました」と証言する。

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