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【柔道】野村忠宏が語る体重別選手権
「勝ってリオ五輪出場を決めてほしい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●構成 text by Oriyama Toshimi
  • 山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

 その東京で11年と14年世界王者の中矢力(ALSOK)が勝っていれば、少し抜け出す形になりましたが、ベテランの秋本啓之(了徳寺学園職)が優勝したことで、秋本も土俵に上がってくる状況になりました。

 2月のパリで、秋本は3位、中矢は5位という結果に終わり、その直後に行なわれたデュッセルドルフで大野が勝ったことで、リードを広げたと思います。

 3人はともに世界王者であり、それぞれの強さがありますが、僕はその中でも大野の強さに魅了されているんですよね。彼が僕の母校でもある、天理大に進学する前の高校3年のときに一緒に練習をしたことがあるんですが、持っている技のスピードや、瞬間のキレには驚きました。彼と組んだことのある選手は、みんな彼の技に恐怖を感じていると思うし、世界中が注目していると思うので、選抜体重別選手権での勝ち方にも興味があります。

 自分の階級である60kg級も気になるところ。髙藤直寿(パーク24)が2月のデュッセルドルフをケガで欠場しましたが、それはいい判断だったと思っています。彼の場合、昨年の世界選手権には出場していないものの、5月のワールドマスターズの優勝に始まり、10月のパリ、12月の東京でも優勝を果たしています。優勝候補筆頭と言ってもいいでしょう。

 2月のパリでは昨年の世界選手権3位の志々目徹(了徳寺学園職)が優勝したことで、状況はすごく面白くなってきました。彼の場合は、日本人に対して苦手意識を持っているようでしたが、志々目選手自身「泥臭くてもいいし、指導のポイント差でもいいから勝ちにこだわっていく」と話していたので、そういう柔道を見せてもらいたいと思っています。

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