ソフトバンクホークスはeスポーツでも世界一を目指す。合宿所が超豪華 (4ページ目)

  • ハル飯田●取材

 ピークが20歳前後で、30歳に近づけば大ベテランという過酷な競争社会。SHGはこの世界的な潮流も考慮に入れて、スカウティング活動を強化。「若手の有望な選手を練習生として取ることにしている」という。今後、練習生として5名を採用し、トップチームで活躍できる選手を育成していく計画だ。

 このようにプロ野球のトップ球団の名に恥じぬよう、一気に資金を投入して、恵まれた環境と万全の体制を整えているが、SHGだけで黒字化するのはまだまだ先の話だという。

「個人のゲーマーが配信で黒字になることはありますが、eスポーツのプロチームで黒字を出すのは現状では難しいと思います。LoLに関して言えば先行投資の段階ですね」

 日本ではまだeスポーツ市場が成熟しておらず、チームや選手の知名度は低い。そのため大口のスポンサーを見つけたり、SHGのように母体となるプロスポーツチームの一組織として活動することが多い。チーム自体は赤字であっても先行投資をするのは、eスポーツに大きな可能性を感じているからだ。

 LoLの競技人口(アクティブプレーヤー)は月間で1億人超。世界大会も開催されていて、世界一への階段が用意されている。その世界大会の総視聴者数は約1億人で、最大同時視聴者数が4400万人と、世界大会に出場するだけでもブランド価値は高い。また賞金総額も7億2000万円と大きい。先んじてLoLのプロチームを強化し、日本屈指のチームへと成長させれば、世界一という目標も夢ではない。

「LoLは、リーグ自体の規模が大きいので、チームとして参入しているのはかなり大きなメリットだと思っています。世界への道のりはまだ遠いのですが、世界一を目指すことに変わりはありません」

 プロ野球、福岡ソフトバンクホークスの強みの一つは育成力。じっくりと時間をかけて選手を育て上げて今の圧倒的な地位を築き上げた。SHGの野望はすでに定まり、高い熱量を持って取り組み始めた。あとは今いる選手たちを強化しつつ、発掘した選手たちを育て上げ、世界一に向けて成長していくだけだ。

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