【男子バレー】ネーションズリーグ8連勝をもたらした二枚看板 西田有志と宮浦健人、それぞれの成長 (3ページ目)
宮浦は常に自分と対峙するタイプである。職人肌と言うのだろうか、うまくいかなくても、誰かのせいにすることは決してない。その覚悟のようなものが、技を熟達させ、人間としての深みも与える。エースとして戦ったVNLに続いて行なわれたフィリピンでの世界選手権で、日本が予選敗退の結果に終わると、彼は自らの責任のように語っていた。
「どんな状況であっても、"自分がやるんだ"という気持ちでやらないといけないと思っています。苦しい局面でも"自分が打開するんだ"って。オポジットはそういうポジションなんで......オポジットが醸し出す雰囲気、余裕というのがあって、競った場面でも"持ってきてくれたら問題ないよ"という雰囲気が足りなかったなと」
今回のVNLで、宮浦は長身選手が揃うポーランド戦で髙橋に次ぐ16得点を挙げ、勝利に貢献した。4セット目に放ったバナナサーブは悪魔的な変化で、セットポイントを取った一撃は痛快だった。首位攻防戦になったアメリカ戦でも、1セット目の6得点でチームに勢いを与え、4セット目には3枚ブロックを打ち抜くなど、髙橋に次ぐ20得点で勝利をもたらした。髙橋のフェイクセットをライトから叩いたコンビネーションは、ここまでの日本のひとつのハイライトと言えるだろう。
西田、宮浦の二枚看板がそれぞれ違う道のりで成長を遂げ、日本は頂点に立つべき時が到来した。ロス五輪まで2年。VNL初優勝に向け、日本ラウンドではまず、前回五輪で苦杯をなめたイタリアと戦う。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
3 / 3


