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【男子バレー】宮浦健人がオールスターで見せた「男の優しさ」 剛腕はいかにして磨かれたか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 だからこそ、本人は承服できないだろうが、敗北すら絵になる。負けが、そこで終わらない。捲土重来、次の戦いを予感させるのだ。

――むしろ敗北が、宮浦選手を大きくしているのではないですか?

 そう訊ねたとき、彼は低く太い声で即答していた。

「それは間違いなく、自分の原動力になっていると思います。足りないところを"もっと"っていうところで。それは世界選手権でも感じたことだし、大会中に修正し、改善できたらよかったですけど、少なくとも気づくことはできたんで、次に生かしたいですね。そういう(修正、改善の)繰り返しかなって思います。できれば成功体験を増やしたいですけど、負けることもある。目の前のことに集中し、全力でやったうえで勝ちか負けか。結果は出るけど、やり続けられるかどうか」

 宮浦の質朴さは剛直さに通じる。日々の鍛錬が彼を形作っている。それは匂い立つほどに。2025-26シーズン後半戦も、左腕は唸りを上げる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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