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【男子バレー】宮浦健人がオールスターで見せた「男の優しさ」 剛腕はいかにして磨かれたか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【「"オポジットの雰囲気"がまだ足りない」】

「いや、まだ足りないですね。今回(昨年9月に行なわれた世界バレー。グループステージ敗退に終わった)、代表で戦って感じたのは、"自分がチームを引っ張る意識がまだ足りない"ということで、もっと必要だと思います。そういうマインドを持っている選手がコートにいればいるほど強い。(世界バレーで)うまくいかなかったひとつの理由は、そこにあると思っていて。結果的に"何かうまくいかない"という空気が生まれてしまった。あらためて自分がまだ足りないと強く気づくことができたので、この瞬間も"どう行動していくか"が大事だと思っています」

 一切の言い訳をせず、責任を転嫁しないのは、宮浦らしかった。自らを律し、不要なものをそぎ落とし、技を鍛え上げる。その静謐(せいひつ)さに色気が立ち上る。

「何かを変えられるのは、常に自分自身だと思っているので。もちろん、バレーはチームスポーツだから難しいですが、まだまだ、『もっとこうしておけばよかった』ということがたくさんあるので、もっと自分がやるべきことがあると思っています」

 彼には辿り着きたい境地があるのだろう。だからこそ、自らを極限まで追い込み、その負荷で心身を鍛え上げる。

「世界トップのオポジットは自分の世界を持っているし、"オポジットの雰囲気"を持っています。自分には、まだそれが足りない」

 宮浦は悔しさを滲ませたが、その硬骨さはまさにオポジットの"艶"ではないか。

「どんな状況であっても、『自分がやるんだ』という気持ちでやらないといけないと思っています。苦しい局面も『自分が打開するんだ』って。オポジットはそういうポジションなので。オポジットが醸し出す雰囲気、余裕というのがあって、競った場面でも『自分に持って来てくれたら問題ないよ』という雰囲気を出せるように......」

 けっして多弁ではないが、ひとつひとつの言葉に重みがある。それは彼の放つスパイクにも似ている。生き様が込められていると言うのか、生き方そのものが詩的なのだ。

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