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【男子バレー】山本智大が見せる世界ベストリベロの腕前 「対決姿勢」が技量を高める (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【経験を糧に受け身でレベルアップ】

 山本の守備力は、常に相手の気力、体力を削ぐ。「このアタックでは拾われるかもしれない」――そう疑わせることで、心理的なミスを誘発する。堅守の圧力だ。

 同時に、山本は常に味方を明るく盛り立てる。リードを許していても、笑顔でチームを支えられる。成功を信じられるメンタルが周りに伝播し、福をもたらす。奇跡的なディグは専売特許だが、守備者としての落ち着きと寛容さこそが彼の異能だ。

――リベロというポジションの邂逅とは?

 インタビューで、山本のルーツに迫ったことがあった。

「最初からスパイクを結構拾えたので、"めちゃくちゃリベロいいな"って。レシーブには自信があったので、"いけるじゃん"って手ごたえがありました。練習だけでなく、試合でもいいパフォーマンスが出せて。(中学生時代に)埼玉県と試合をしたんですけど、その時、埼玉は準優勝でしたが、僕ら(北海道)は彼らに勝ったんですよ。中学校の日本代表の選手が4人もいたんですが、エース級の選手のスパイクを余裕でポンポン止めました。"これで日本代表か、いける"って」

 リベロになる運にも恵まれていた、ということか。

「運はありますが......。小1からバレーを始めて6年間、中学校と、父の教えで基礎練習ばかりやっていました。基礎がないと応用がない。培われたものがあって、対応できるようになったと思います。自分の基盤は小中9年間で、レシーブの形を作って、ボール感覚を養ったことですかね。たとえば手で投げたボールを正面で取ったり、足を動かして膝と膝の間で受けたり、その型を徹底的に作り上げました」

 ボールを受ける日々により、リベロとして成熟してきた。ボールスポーツの守備者に共通して求められる資質は、失敗や敗北も含め、経験を糧に受け身でレベルアップできるかだ。攻撃者が創意工夫で能動的なのとは対照的だが、山本はまさにそうだった。

 リベロとしてゾーンに入ったときの山本は無双で、それは強大な敵との対決を触媒にして起こる。たとえば、ネーションズリーグで30年ぶりにブラジルを下した試合でのディグ連発は圧巻だった。また、パリ五輪のイタリア戦も、逆転負けはしたが、ワンハンドのディグなどは神がかっていた。

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