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【女子バレー】石川真佑が牽引して世界バレー4連勝 準々決勝オランダ戦も「楽しみながら」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【トスが上がったら叩き込む】

――キャプテンになって、見える景色は変化したのか?
 
 彼女はほんの一瞬、考えてから淀みなく答えた。

「キャプテンとしてやらせてもらうようになったので、チームに対してどう接していくのか、はいつも考えていますね。紗理那さんも、"チームを引っ張っていく"ということをやってくれていたので、学ぶべきものはたくさんありました。ただ、"紗理那さんみたいに"というよりも、自分らしくチームを引っ張っていけたら、と思います。誰かと比べるよりも、自分のなかでしっかり整理をして、キャプテン像というか、キャプテンのあり方を考えながら、これからもやっていければなって思っています」

 ネーションズリーグでは4位と健闘したが、そのチームで彼女はキャプテンとして異彩を放っていた。コートサイドでの様子も含め、明るくなったチームと連動。ポジティブな化学反応を起こしたのだ。

 大会前のインタビューで、日本女子バレー史上最高のスパイカーのひとりである木村沙織は、石川についてこう評していた。

「石川選手は、イタリアでのプレー経験(昨季はノヴァーラで欧州カップ戦に優勝)も自信になっていると思います。そしてオリンピックを2度経験して、自分がどういう選手にならないといけないのかがわかっているはず。新代表チームのキャプテンを託されたこともひとつの転機になっているのでしょうね。彼女は下北沢成徳高時代にもキャプテンをやっているし、上手に言葉で伝えるようなタイプじゃないかもしれないけど、プレーで引っ張っていると思います。何より明るい笑顔がみんなを引き寄せているし、アクバシュ監督のキャラクターともマッチして、"女子バレーを応援したい"というムードをつくり出しています」

 一方、コートに立つ石川は、"託される"存在である。どんなボールであろうとも、トスが上がったら叩き込む。エースの気概がはっきりと見える。

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