【SVリーグ男子】関田誠大が語るファイナルの敗北 STINGS愛知を離れ今後の展開は...... (3ページ目)
STINGSは挽回することはできず、このセットを25-16と落とすことになった。3セット目は大歓声を背に健闘したが、最後は突き放されて25-22で敗れた。
初めての会場で、関田の精密さが狂ったのか。
「関田さんが両サイドをうまく使うので、攻撃の選択肢を絞るのが難しかったです。ギリギリまで、どこに渡るかわからないトスワークで。誰をマークし、決めさせないのか、を考えながらブロックしないと......」
サンバーズのミドルブロッカー、小野寺太志はそう言って賞賛を送っていた。ネット越しに関田と知略戦を尽くした男の言葉は、説得力がある。
「ちょっとの差ですね」
関田はそう言って、決勝を総括した。
「1点で試合は変わる。その流れがいつ来るかわからない。ハードワークしても、うまくいくと限らない。運とかいろいろと、僕には足りなかったと感じました。そこを詰めていかないと、優勝には到達できない。今日、勝っていれば、まだ試合がありました。取り返すことはできないけど、頑張らないといけない。その気持ちが、ファイナルで得たものかもしれません」
関田はそう言って胸を張った。それは逆襲の誓いか。勝利の風景が似合うセッターだ。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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