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【SVリーグ男子】関田誠大が語るファイナルの敗北 STINGS愛知を離れ今後の展開は...... (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【決勝で何が起きていたのか】

 決勝でも、第1戦の1、2セットまで関田のセットアップは破格で、サンバーズを寄せつけなかった。それが3セット目から、狂いが出てきた。それでも終盤までリードしていたが、レシーブがうまくいかず、パスが返ってこなくなった。

――いつも「トスはフィーリング」と言っていますが、今日は途中から狂ってしまったのか、相手の対策が上回ったのか?

 試合後に筆者がそう質問を投げると、関田はこう返した。

「僕も力が入っていたところはあったかもしれません。なかなかうまく決めさせてもらえませんでした。いろいろとプレッシャーを感じながらやっていたんで......それで今日は、こうなっちゃう」

 彼はそう言って苦みのある笑いを浮かべた。STINGSの流れだったにもかかわらず、3セット目を失った。どこかで歯車がずれた。第4セット、ファイナルセットもデュースまで持ち込み、マッチポイントを迎えながらモノにできなかった。一度は勝利の歓喜に沸いたが、チャレンジシステムで取り消された。痛恨の大逆転負けだ。

「やっぱり、(サンバーズは)サーブがいいですよ。パスが割れてしまうし、崩されることで、2枚(ブロックに)つかれてしまった状況が何回もあって。ミドルを使いたいけど、リスクもあるので。4セット目が終わって(ファイナルセットは)、"シャットされてもいいや"と割りきって。よりシンプルに戻り、立ち返るっていうか、"クイックだな"って思ってやりました。このチームでの僕のよさというか、何をやってきたか、思い出して」

 しかし、"サーブで攻め、ブロックで守る"サンバーズは驚くほど粘り強く、最後は26-24で落とした。

 決勝2試合目のSTINGSは目に見えて不安定だった。1セット目は拮抗した勝負だったが、最後は29-27で力尽きた。関田はレシーブで、果敢にベンチサイドへ突っ込み、足を負傷していた。2セット目は立ち上がりから5連続失点。関田はタイムアウト中にチームの輪から離れ、ひとりで天井にあるモニターを仰ぎ見ていた。

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