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【ハイキュー‼×SVリーグ】ヴォレアス北海道の田城貴之は北信介の信条とドンピシャ「自分を裏切っていなければ、心は折れない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 高校卒業後の道のりも、自ら探り当てた。筑波大学に一般受験で合格。大学で腕を磨くと、その熱量でさらにバレー人生を切り開く。2014年に、名門パナソニック・パンサーズ(現在の大阪ブルテオン)に入団。レギュラー奪取を目指す日々を送っていた。

 当時はパナソニックの社員扱いで、引退後の生活の保障まであったが......。2016年にプロクラブチームとなり、3部リーグを戦うことになったヴォレアスの夢に魅力を感じた。

「そのまま何年かプレーして引退しても、よほどヘマしない限り、生活の心配は少なかったと思います。結婚したばかりでしたし、迷いましたが......。でも、このままバレーのキャリアが終わったら後悔すると思ったんです」

 彼はからりとした声でそう言う。そしてヴォアレスに移籍すると、チームを3部から2部、2部から1部に引き上げた。快挙だった。そして今シーズンは、SVリーグでの戦いに挑む。

「故郷の北海道は多くの有力選手を輩出してきましたが、ヴォレアスができるまではVリーグを戦うチームがなかった。今は北海道で試合できて、地元の子供たちも喜んでくれます。ファンやサポーター、恩師、かつてのチームメイトなどがバレーを通じて興奮している姿も見られる。その熱狂を、もっと大きくできたらいいなと思います」

 チーム立ち上げ時の選手として、田城は運営面にも関わっている。ただ、現役の間は選手として全力だ。

「"自分"を裏切っていなければ、心は折れない。やるべきことをやった結果だったら、人に何を言われても関係ない。その覚悟はできているつもりです」

田城はそう言って、口角を上げた。"武士道"が好きだという彼の生き方は、剣ひと筋の侍のようにも映る。

【田城が語る『ハイキュー!!』の魅力】

――『ハイキュー!!』、作品の魅力とは?

「唯一の趣味が漫画で、『週刊少年ジャンプ』は10年以上読んでいます。『ハイキュー!!』が始まった時は、身長が低い主人公があり得ないプレーをする展開になるんじゃないか、とも思ったんですが......戦術がリアルに描かれていて、どうやったら小さくても活躍できるかも描いてる!とハマりました(笑)」

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