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女子バレー日本代表・宮下遥があらためて振り返る現役生活 印象に残った3つのシーン、人生を変えた人とは? (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【いいことと悪いことが詰まったセミファイナル】

――当時、私は別会場での取材だったのですが、別のスタッフから「宮下がデビューしたんですけど、前歯が折れて血まみれなんです」と連絡がきて困惑した記憶があります(笑)。それに続く、3つ目の印象的な試合は?

宮下:3つ目は、初めて岡山シーガルズで準優勝した、2013-14シーズンのセミファイナル(4チーム総当たりで上位2チームがファイナルラウンドに進出)の3試合ですね。あのシーズンはずっと上位をキープして、4強も早めに決められたんですが、ターゲットにしていた久光さんにはレギュラーラウンドで勝てませんでした。

 セミファイナルは、久光さんに負けても2勝1敗で抜けて、決勝でまた久光さんとやって倒すというプランがあったのに、私が2戦目のトヨタ車体クインシーズ(現クインシーズ刈谷)さんとの試合を"壊して"しまった。リードしていた展開から、私のサーブミスからひっくり返されて負けてしまったんです。

 それで1勝1敗になり、翌日の久光戦に勝たなければ決勝に行けないという状況になってしまって......。久光さんは、こちらがどれだけいいプレーしても(新鍋)理沙さんを中心に崩れなかったし、最後はエースの(長岡)望悠さんが決める。レギュラーラウンドでは勝てなかったし、「セミファイナルは私のせいで終わったな」って思ってたところで、先輩たちが「明日はどうせ負けるんだから、もうダメならダメで、自分たちがやるべきことをやって負けよう!」と慰めてくれたんです。

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