バレー界の「二刀流」水町泰杜が海外で見た理想の風景「ビーチバレーを老若男女が楽しんでいて...たまらない」 (3ページ目)

  • 坂口功将●取材・文・撮影 text & photo by Sakaguchi Kosuke

【日本でもビーチバレーボールをもっと身近なものにしたい】

――海外で初めて参加した今大会の感想は?

「これだけ大規模な大会(※)で、大勢の人たちがビーチバレーボールを楽しんでいる空間が心地よかったです。みんながワイワイ、ガヤガヤとやっているのはすごくいいなと感じました。日本だとまず見られない光景でしたから」

(※)大会は3日にわたって開催された。ビーチに100面以上のコートが張られ、同時進行で試合が行なわれる。カテゴリーは2人制、3人制、4人制いずれも男子、女子、混合が設けられ、水町が参加した2人制男子は総勢320組で争われた。

――うらやましく感じることも?

「ビーチバレーボールを通して、流れる時間や空間を本当に楽しんでいるのがいいですよね。それはスロベニアでも目にしたんです。活動拠点の施設で、僕たちが練習している隣のサンドコートで、一般の方々がビーチバレーボールをしていました。それも、高齢の方、小さい子供など、男女関係なく。施設の利用料もかかるはずなのに、それでもやりたいと思えるくらい身近なものなんだって。その風景がたまらなかったです。

 ひとりの選手として高いレベルを目指すのはもちろんですが、どちらかというと僕が実現したいのは、日本でも公園にビーチバレーボールコートが併設されていたり、そこにBARなどが出店して、規模の大小を問わず大会が開催されるといった空間を作ることなんです」

――海外でそれらに触れたわけですが、実現のために必要なことは?

「きっかけは何であれ、まずはビーチバレーボールに目を向けてもらうことから、でしょうか。日本で人気がある野球やサッカーみたいに『観戦しながらビールを飲みたい』でもいい。実際にイタリアの大会では、周りの人や選手も飲んでいますから(笑)。

たまたま遊びにきた海辺で大会が催されている、でもいいと思うんです。そうして会場が人で溢れる状態にしたい。そのためにもまずは僕が表に出て、ビーチバレーボールそのものの認知度を高めることも必要だと考えています。どうすれば広がるのかは......難しいけれど向き合っていきます」

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