バレー界の「二刀流」水町泰杜が海外で見た理想の風景「ビーチバレーを老若男女が楽しんでいて...たまらない」 (2ページ目)

  • 坂口功将●取材・文・撮影 text & photo by Sakaguchi Kosuke

――ビーチのデビュー戦となったイタリアでの「AeQuilibrium Beach Volley Marathon」は、初日の予選ラウンドを突破。翌日の決勝ラウンドでは不戦勝や敗者復活戦も含めて勝ち上がり、全体39位相当の成績を収めました。デビュー戦の手ごたえはいかがですか?

「言い方は悪いですが、やはり"初心者"なので予選ラウンドの初戦と敗者復活戦の2試合だけで大会を終えることも頭にはありました(笑)。だけど結果的に、2日間で12試合(1セット21点マッチ)をプレーできたのでよかったです。

 相手のスパイカーがどこに、どうやって打ってくるのか、こういうタイプの選手だからボールはここにくる、といった傾向が試合を通して見えてきて、そこに合わせて自分が動いていくのはとても楽しかった。それがハマって、ボールを拾えた時は気分が上がります」

――本格的に取り組んでみて、インドアとビーチの違いをどこに感じますか?

「ビーチは砂の上で跳ぶことや、一対一の駆け引きが難しいですね。砂に足を取られるんですが、それに対応できれば、もっとうまくプレーできると思います。アタックのジャンプも全然違いますよ。しっかりと踏み込まないとズルッと滑ってしまう。いったん止まるくらいに踏み込んで、両足で跳ぶという感覚です。まだうまくできない時もありますが、できる回数は増えてきました。

 一方で、レシーブに関しては、"捨てる・捨てない"ボールの区別がついていないので、どれも100%で追いかけてしまうから、かなり体力を消耗してしまいます。力を入れるところ、抜くところを体で覚えていきたいです」

――今大会で初めてペアを組んだ、スロベニア籍のヨシュト・レニッチ選手との関係はいかがでしたか?

「年齢は彼がひとつ下でしたが、いろんな部分で気にかけてくれましたし、日本人っぽい人柄です。僕のことは『タイト』と呼んでくれました。ただ、最後の試合(2日目の決勝ラウンド第7試合)では、ラインジャッジで相手チームと揉める場面があって、かなりヒートアップしていました。

 そこで僕から、落ち着かせる声かけができればよかったのですが、言葉の壁もありますし、『外国人選手は気にかけすぎると逆に嫌なのかな』と思うこともあって。『オッケー』『ネクスト』と言うだけでした。相手チームはふたりでしっかりと話をして、冷静さを失っていなかった。そのあたりは大事だと思いますし、僕が熱くなってしまう場面もあるかもしれない。ペアに対してどのようなアプローチをするかも、プレーしながら覚えていきたいです」

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