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男子バレー日本代表・高橋慶帆が語るシニア代表で「ガチファン」だった柳田将洋と過ごした時間 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【アジア大会での苦しさと得たもの】

――海外遠征や合宿では、基本的にセッターは下川諒選手が務めていました。オポジットの高橋選手とコンビが合っていた印象がありますが、登録の関係でアジア大会本戦のセッターは深津旭弘選手のみとなりました。それはどう感じましたか?

高橋 ずっと合わせてきた下川さんと一緒に戦えないことは、つらかったですね。でも、それを言い訳にするわけにはいかないですし、「彼の分も精一杯プレーして、結果を残して日本に戻ろう」とすぐに切り替えました。その点は、主将の柳田将洋さんをはじめ、高梨健太さんなどがチームを引っ張ってくれたことも大きかったです 。

 プレー面の影響としては、それまで試合中にセッターとオポジットを一度に入れ替えて3ローテーション回していた「2枚替え」ができなくなりました。つまり、セッターだけじゃなくてオポジットも実質ひとりで戦うことになった。それは想像以上に苦しかったです。

 ただ、深津さんもプレーだけでなく、チームを鼓舞するような声かけもしてくれたので、僕もコート内で気持ちを切らすことはありませんでした。B代表には若い選手が多かったんですが、自分も含めて本当にやりやすい環境を作っていただきました。

――アジア大会は連日試合があって、非常にタイトなスケジュールでした。

高橋 疲労もそうですし、メンタル的にもきつかったです。それでも、1日あったオフにはトレーニング量を調整するなどして、いい状態でその後の試合に臨むことができたと思います。それは、合宿や遠征を重ねたことで、自分のコンディションを落とさずに上げてくことを、若い選手でも実践できるようになっていたからだと思います。

――オポジットは"点取り屋"のポジションではありますが、アジア大会ではチーム最多の113得点をマークしましたね。

高橋 とにかく、「いかに効果率(チームにどれだけ貢献しているかを表した数字)を上げながら点を取るか」を考えていました。効果率を上げるためにはミスを減らさないといけないんですが、データをしっかり頭に入れることが必須です。試合前にスタッフ含め、「こういうシチュエーションでは、相手のスパイクはこうきやすい」「このミドルブロッカーはこういう特徴がある」といった話をして、それをふまえて状況によって判断しながらプレーしていました。それを続けていくと、「あ、こういう感じで来るな」と予想できるようになった。そこは、うまくできたかなと思います。

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