男子バレー日本代表・高橋慶帆が語るシニア代表で「ガチファン」だった柳田将洋と過ごした時間 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【仲がいいライバル、西山大翔との関係】

――アジア大会を振り返って、どの試合が最も印象に残っていますか?

高橋 3位決定戦のカタール戦もそうですが......準決勝で負けた中国戦が1番印象に残っています。

――中国チームはアジア大会にもA代表が出ていましたね。ネーションズリーグ(VNL)でも日本戦では気迫がすごく、日本が勝ったもののフルセットまでもつれました。その中国A代表と戦ってみていかがでしたか?

高橋 命をかけている、と感じるほどの気迫でした。勢いもすごかったですし、自分たちは守りに入って押されてしまった部分もあった。サーブでけっこう崩されて、2段トスも打ち切れず......。「してやられたな」という感じでしたね。

 アジア大会の前にも、中国代表とは岩手で親善試合もやったんですが、アジア大会は相手のホームでしたし、会場も含めて熱が違いました。でも、代表やVリーグでもアウェーでの試合はあるので、その経験ができてよかったです。

――同年代の選手では、U20日本代表でも一緒に戦った西山大翔選手と仲がいいそうですね。その西山選手がVNLのファイナルラウンドでいきなりA代表に呼ばれ、準決勝のポーランド戦でリリーフサーバーとしてデビューし、いきなりノータッチエースを決めました。その姿をどう見ていましたか?

高橋 西山選手とは、高校時代からずっと練習試合などで戦っていましたし、そういう選手が大きな舞台で活躍するのはすごくうれしかったです。

 先ほどのアジア大会の話に戻るんですが、「2枚替え」ができるなら本来は西山選手が僕と交代で出るはずでした。だから彼もストレスを抱えていて、ふたりでその話もしましたね。それでも西山選手は、僕が出ている時に「こういう打ち方になってたよ」といったアドバイスをくれた。逆に西山選手が出ている時は僕も声をかけていました。同じポジションでライバルではありますが、いい関係が築けているんじゃないかと思います。

――中国に負けた後の、カタールとの3位決定戦に臨むチームの雰囲気はどうでしたか?

高橋 中国に負けたあとは悔しさがありましたが、それを引きずるとズルズルいってしまうので、「次の試合に集中しないと」と切り替えましたね。前日の夜にチームメイトとカタールの試合の動画を見て、スパイカーやブロックなどの傾向を頭に入れていきました。やはりメダルを獲得できるのか、4位で終わるかでは全然違う。「最後は勝って帰ろう」と、チームの気持ちがひとつになりました。

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