石川祐希が振り返る激闘のパリ五輪予選「早く出場を決めたこともプラスには考えていない」 (3ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki

――パリ五輪ではメダルも期待されています。本番までに日本代表チームとして強化しなければいけないところはどこでしょうか?

「ブロックは引き続き強化していかなければいけません。チームとしてブロックがある程度機能すれば、世界の上位とも戦えると思っています。レセプションの数字は非常に高いですし、ディフェンスも僕たちの武器です。もっと全体的にミスが出ないように、コンスタントに精度を高めていく必要がありますが、サーブも全員がいいものを持っています。なので、やはり大きなところでいうとブロックを成長させたいですね」

――開催国枠で出た東京五輪と、自分たちで出場権をつかみ取ったパリ五輪。迎える心境は違いますか?

「あまり変わらないです。OQTがあったので、そこに対する臨み方は違いましたけど、東京五輪の時と同じように『来年も五輪がある』という感覚です」

――現時点で、パリ五輪での目標は立てていますか?

「1次リーグや2次リーグを突破する、というのもありますけど、やっぱりメダルを獲ることが大きな目標になってくると思います」

――それもまた、あえて言葉にして発信していくんでしょうか。

「パリ五輪のことを口にするのは、来年の代表シーズンに入ってからですね。自分がイメージできるようにならないと、なかなか難しいんですよ。代表シーズンが始まってないうちに『メダル獲ります』と言っても、僕自身に響かない感じなので。代表のスイッチを入れるのは、また来年です」

(vol.10:イタリア9季目は「ハード」 それを乗り越えるために「削った」ものとは?>>)

【プロフィール】

◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)

1995年12月11日生まれ、愛知県出身。イタリア・セリエAのミラノ所属。星城高校時代に2年連続で三冠(インターハイ・国体・春高バレー)を達成。2014年、中央大学1年時に日本代表に選出され、同年9月に代表デビューを飾った。大学在学中から短期派遣でセリエAでもプレーし、卒業後の2018-2019シーズンからプロ選手として同リーグで活躍。2021年には日本代表のキャプテンとして東京五輪に出場。29年ぶりの決勝トーナメント出場を果たした。

公式X(旧Twitter):@yuki14_official>> 公式Instagram>>

プロフィール

  • 柄谷雅紀

    柄谷雅紀 (からや・まさき)

    スポーツ記者、ライター。1985年生まれ、大阪府出身。筑波大男子バレーボール部で全日本大学選手権など多くの大会で優勝した。卒業後の2008年から大手新聞社で事件や事故、裁判の取材を経験。転職した2013年からスポーツの取材に携わる。2018年平昌五輪、2021年東京五輪、2022年北京五輪を始め、多くの競技を現地で取材している。@masaki_karaya

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