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日本男子バレーがすごい。新たな攻撃の型で得点を量産、長身セッターなど新戦力も台頭 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

 アタッカー陣は、第2週が終了した時点で西田が全体のベストサーバー部門1位、ベストスコアラー部門でも3位に入っている。スロベニア戦ではさすがに疲れが出たのか、連続被ブロックのあとに打数が少なくなった。しかし、石川や大塚、ミドルブロッカーの髙橋(健)や山内らが得点を重ねて勝利。「どこからでも得点できるチーム」として仕上がりつつある。

 フランス戦で、体調不良の宮浦健人に代わってBチームのオポジットとして起用された大塚は、「普段と違うポジションだが、どこであっても全力を尽くす」という言葉通り15得点をマークし、チームのベストスコアラーに。スロベニア戦では、イタリア戦でケガをした髙橋藍に代わって石川との対角で出場。バックアタックや、髙橋がやや苦手とする前衛からの攻撃でも得点し、サーブレシーブでは相手の集中砲火に耐え抜いた。

 そして、チームが欲しい1点を着実にとってくれるのが主将の石川。劣勢、競り合いでの勝負どころで、サービスエースやレフトからの"超インナー"などを決めきる力はさすがだ。セッターがサーブを打ったあとのローテーションでは、左利きの西田が前衛レフトにいるために攻撃の選択肢がどうしても狭まるが、ライトから石川がサイドアウトを切ってくれるため、今のローテーションも回せるようになる。

 プレー以外でも、試合中やタイムアウトで的確な指示をする姿が印象的だ。以前の日本は石川の"孤軍奮闘"という試合もあったが、今のチームは石川の奮起に呼応する選手がたくさんいる。

セッターもポジション争いが熾烈に

 そんなアタッカー陣を操る司令塔、セッターのポジションも争いが熾烈になっている。ここ数年は関田と藤井直伸が担っていたが、藤井はがん闘病中。そこで台頭してきているのが、サントリーサンバーズのリーグ2連覇の立役者でMVPに選ばれた大宅真樹と、先述した永露だ。

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