女子バレー代表の正セッターは誰が良いのか。竹下佳江が名前を挙げた (3ページ目)
――経験値の豊富さという点では、中学生でVリーグデビューを果たした宮下遥選手(岡山シーガルズ)もキャリアを積んできた選手ですね。
「そうですね。宮下選手は代表の主力としてプレーしたり、メンバー外になってまた復帰したりと、いろんな経験をすることで視野が広くなってきた印象があります。26歳になり、チーム内でも立ち位置が変わって、精神的に成長してきているでしょう。技術的には、ディフェンス、ブロックが特長の選手。少し不安があったトスも、年々よくなってきていると思います」
現在の代表のセッター陣について語った竹下さん photo by Kimura Masashi――昨年は代表としての活動が制限され、これから東京五輪に向けてチームを仕上げていく中で、チームの司令塔であるセッターにはどんな選手を据えるべきだと思いますか?
「合宿などを見て監督が判断する、ということは前提ですが、田代選手を選択するのかな、と思っています。彼女はリオ五輪も経験していますし、先ほど話したようにハイセットを打ち抜くアタッカー陣を揃えているという点でも、パス力がある田代選手にセッターを任せる可能性はあるんじゃないかと」
――竹下さんも長く日本代表のセッターとしてチームを引っ張っていました。東京五輪の開催は不透明な部分もありますが、五輪イヤーはどのようにチームがまとまっていくのでしょうか。
「私が現役の時は、5月に行なわれる最終予選で出場権を取らなければオリンピックに出られない、という緊張感の中にいました。そこは、自国開催で出場が決まっている今の代表チームとは状況が違います。ただ、今後の国際試合などを経て最終的にメンバーが発表されたあとに、もうひとつスイッチが入ることになると思います」
――最後に、代表の選手たちにエールをお願いします。
「五輪が自国で開催されることがきまってから、そこに焦点を合わせてプレーしてきた選手も多いと思います。ただ、コロナ禍でそんな気持ちを口に出して言えなかったり、いろんな葛藤がある選手もいるでしょう。それでも、五輪という大舞台に立ってプレーできることは当たり前のことではないですし、今年の代表選手たちには後悔がないプレーをしてほしいです。私もスポーツの現場にいる人間として、日本や世界のみなさんに希望や勇気を届けるようなプレーを期待しています」
(竹下佳江のバレー人生 前編 引退を決意→中田久美からの電話>>)
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