新鍋理沙が明かした引退までの苦悩。そして今後と昔の夢「結婚」について (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 3月の五輪延期の発表から、引退を決める5月まで葛藤が続いた。代表や久光スプリングス(旧久光製薬スプリングス)のチームメイトや、両親にも相談せず、「ひとりで考えていた」という。

「チームメイトに相談するのも何か違うと感じましたし、両親に言ったら絶対に『もう1年頑張れ』と説得されますから(笑)。いろんな意見を聞くと、どんどん混乱しちゃいそうだったので、誰にも言わずに考えました」

 まだボールを触るところまでは回復していない中で引退を決意し、それを最初に伝えたのは久光の萱嶋章GMだったという。そこでは引き止められたが、「『ボールを触るのが怖い』という気持ちも出てきてしまっていた」という新鍋の考えは変わらなかった

久光でも日本代表でも、最後まで主力選手として活躍した photo by photo by Horie Joe久光でも日本代表でも、最後まで主力選手として活躍した photo by photo by Horie Joe その後、中田久美代表監督ともやりとりがあったそうだが、その内容については6月の会見時と同じように「秘密です」とかわされた。

 盟友の岩坂名奈との会話も「いろいろ話をしました」と言うにとどめた。しかし、新鍋が引退を発表した直後に行なわれた久光のオンラインファン感謝イベントでの、岩坂からの花束贈呈の際にはふたり揃って涙を流した。

「ファン感ですし楽しく終わりたかったので、絶対泣かないようにしようと決めていたんですけど、名奈が先に泣いて部屋に入ってきたので耐えられませんでした。記者会見の時は頑張ったんですけどね。家族やチームメイト、ファンの方たちに、きちんと感謝の気持ちを伝えたかったので」

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