2018.07.19

30歳の「ルーキー」。全日本バレーの
お祭り男、高松卓矢が急成長中だ

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 8月のアジア競技大会、9月の世界選手権に向けて合宿を行なう全日本男子バレーボールチームに、自らを「ベテランルーキー」と呼ぶ選手がいる。今年1月に30歳になったウィングスパイカー(サーブレシーブもするアタッカー)の高松卓矢だ。

 身長186cmの高松は、昨シーズンのVリーグを準優勝した豊田合成トレフェルサをオフェンス面でけん引。助っ人外国人選手のイゴール・オムルチェンがリーグ中盤とファイナル3の第2戦で故障離脱し、窮地に陥ったチームの救世主となった。

Vリーグの準優勝チームである豊田合成で活躍する高松卓矢 チームの躍進に大きく貢献して敢闘賞を受賞した高松だが、「はっきり言って悔しいですね」とシーズンを振り返る。

「優勝していたら、僕がMVPだった可能性は高かった。ファイナルで対戦したパナソニック(パンサーズ)との第2戦でも、僕にはそのチャンスがあったんですよ。セットカウント2-1でリードして迎えた第4セットの中盤に、僕のサービスエース3本で追いついたのに、次のサーブをミスしてしまった。

 第1戦で負けていたので、第2戦で勝てばゴールデンセット(1勝1敗になった場合に行なわれる15点の1セットマッチの延長戦)に持ち込めた。でも、僕が勢いをつけられずに第2戦はフルセットで逆転負け。たとえば、越川(優)さんや柳田(将洋)くんだったら、あの場面でもう1本エースを決めて流れを引き寄せられたんじゃないかと。そこが、僕のスター性が足りないところだと反省しました」

“スター性”という観点からを敗戦の反省する選手は、これまで取材してきたなかでも高松が初めてだった。

 感情をストレートに表現するキャラクターは、ファンの間でも人気が高い。試合中には「怪鳥音」とも呼ばれる甲高い叫び声でチームメイトを鼓舞し、相手を威嚇する。ユニフォームの袖をまくりあげ、大舞台で存在感を発揮する”お祭り男”としてお馴染みだ。全日本男子の中垣内祐一監督も、「高松はあの元気さがいい。全日本でも”元気印”で頑張ってほしいね」と期待を寄せる。