【女子バレー】サオリン&宮下が
メダル宣言。眞鍋監督に秘策はあるか (3ページ目)
宮下は6年前、15歳で初めて全日本に選ばれたときに、「自分に厳しく、オリンピックで金メダル」という目標を掲げている。今もその気持ちは変わっていない。だが、この6年間は苦しむ姿がよく見られた。宮下の前任の竹下佳江の存在があまりにも大きくて、「なぜこんなに比べられなければならないんだろう」と試合後に泣いたことも多々あった。
全日本では所属チームと違うものが求められ、そのギャップにも苦しんだ。眞鍋監督が2014年にトライしたハイブリッド6(1人の選手が複数ポジションをこなす戦術)ではセンターブロックを任され、負担から故障間際まで追い込まれた。以前はモチベーションも「リオより東京」という意識で周囲と温度差があったが、今は違う。
「選ばれなかった人たちの思いも込めて、リオ五輪では金メダルを獲りたい」
決意を新たにした宮下のトスワークに期待したい。
そして、やはり一番のキーマンは木村主将だろう。木村は主将になってから、宮下によく気を配り、OQTの出場権が懸かったイタリア戦の前には「(トスを)全部私にもってきてくれればいいから」と声をかけた。宮下も試合開始直前に「全部もっていくつもりで行きます」と宣言し、木村は両チーム最多の31得点でそれに応えた。
高校生で全日本にデビューした頃は「ワールドカップとオリンピックってどう違うんですか?」といった無邪気な問いかけをしていた木村だが、今はオリンピックの特別な重みを十分に感じ、エースとして主将としてチームを牽引し続けている。気になるのは小指のケガだが、壮行会でもしっかりと包帯が巻かれたままだった。
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