負傷の木村沙織がフル回転! 全日本女子、リオ五輪出場決めた (4ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  中村博之/PICSPORT●写眞 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 もちろん、窮地ではロンドン五輪組の「経験」も生きた。結婚、出産を経て、4年ぶりに復帰した31歳の荒木絵里香は、この日も要所でブロック、サーブで活躍した。観客席には夫の元ラグビー日本代表、四宮洋平氏も駆けつけていた。

 パワフルママは言った。

「まずはオリンピックを決めることが自分の仕事だと思っていたので、最低限のことはできたのかなと思います。でも、(チームは)課題だらけですね。チームとして機能していないところがたくさんあります。このままでは(リオに)行くだけになってしまう。すべてにおいてレベルアップさせたいですね」

 そうなのだ。ロンドン五輪で銅メダルを獲得したチームと比べると、日本の生命線であるサーブもサーブレシーブも見劣りする。ポイントはセッターとリベロ。メダルを獲得するためには、プレーの精度もコンビももう一段、二段、レベルアップしないといけない。

 実際、日本は最終セットにミスを続発し、イタリアにはフルセットで敗れた。木村主将もチームの課題をわかっている。

「この大会を通して、自分たちの弱さだったり、もろさだったり、すごくみんな感じていると思います。遥(宮下)を中心に日本らしいコンビバレーをもっともっと展開していけるよう、オリンピックにつなげられるよう頑張りたいと思います」

 眞鍋監督もしかり、である。

「オリンピックの本大会でこのような試合をしていると、まずメダルは無理ですね。オリンピックに向けて、戦術、戦略も考えていかないといけません」

 リオ五輪開幕まで2カ月半。自分を信じ、仲間を信じ、そして勝利を信じて。「火の鳥ニッポン」の合言葉が「こころはひとつ」。メダル獲得に向けて、いばらの道が続く。

    スポルティーバ特別編集
『全日本男子バレーボールチーム
PHOTO BOOK ~コートの貴公子たち~』
詳しくはこちら>>

●バレーボール記事一覧>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る