負傷の木村沙織がフル回転! 全日本女子、リオ五輪出場決めた
勝負の日である。朝、日本の眞鍋政義監督は選手全員が入った「LINE」グループに熱いメッセージを流した。照れ屋の指揮官としてはめずらしいことだった。
<簡単にオリンピック出場権がとれるわけがない。自分たちで勝ちとる。それが今日だ。プレッシャーがかなりあると思うけれど、まず自分を信じ、仲間を信じ、そして絶対に出場権を勝ちとるゾ>
リオ五輪出場を決めた全日本女子チーム
21日の東京体育館。女子バレーボールのリオデジャネイロ五輪世界最終予選。他のカードの勝敗により、日本対イタリアの試合前、日本が勝敗に関わらず、2セットを獲れば、リオ切符を手にすることが決まっていた。
指揮官の檄文の通り、日本はこの大会独特の重圧とイタリアの高さに苦しんだ。歓喜を前にした陣痛か。でも、主将の木村沙織が窮地を救った。エースは試合前、セッターの宮下遥からこう言われていた。「全部、(トスを)持っていきます」と。
木村は覚悟を決めた。もう4日前の韓国戦で痛めた右手小指の痛みは消えていた。
「絶対、どんな状況でも、どんな状態でも、点数にするという気持ちが強かった。絶対に今日、(五輪出場を)決めるつもりでした」
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