【女子バレー】日本がリオ五輪出場&メダル獲得のためにすべきこと (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 五輪で男女のチームを率いて、銀メダルを獲得したアリー・セリンジャーが、以前別件で取材した際に「リードブロックへの対抗策を知っているかい? それはできるだけ多くのアタッカーが同時に助走に入り、ブロッカーに的を絞らせないことだ。今は後衛のミドルブロッカー(MB)にはリベロが交代で入るが、本当なら後衛にいるMBもバックアタックに入ればベストだ。これ以上の方法は、今はない」と言っていた。ブロックの空いている方を見て打つのは、もちろん、スパイカーがやらねばならないことだが、実際には打たない選手のとるべき行動も、「打つ人のフォローをする、声をかける」だけではなく、ブロックの分散のために動くことも必要なのではないだろうか。

「オリンピックの切符は獲れなかったけれど、今まで準備してきたことは間違いではなかったと、わかった大会でした。自分のデキとしては、良い試合もあり、悪かった試合もあり、安定してチームを引っ張れたかどうかわからないですけれど、このチームは本当にチーム力があって、和がいつもあるチームでした。今は終わったばかりでOQT(オリンピック最終予選)のことは何も考えられません」と木村主将は涙ぐんだ。

 来年5月にはアジア大陸予選を兼ねたオリンピック最終予選が行なわれ、日本はここで出場権獲得を狙うことになる。予選に出るのはアジア4、欧州2、南米1、北中米カリブ海1。日本はアジア勢で1位となるか、これ以外の7チーム中3位に入ることが切符獲得の条件となる。実は、ワールドカップ最終戦で日本が中国に勝つと、中国の順位がアメリカを下回り、今大会での切符を逃し、OQTで日本と枠を争うはめに陥るところだった。日本がOQTでオリンピックの出場権を獲るためには、今大会で強豪中国に切符を獲ってもらい、OQTには回ってこない方が有利になる。今大会で得られた収穫をもとに、5月には必ず出場権を獲得し、リオでのメダルを期待したい。

バレーボール の記事一覧>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る