【男子バレー】グラチャン最下位。いま全日本に何が起きているのか (4ページ目)
ゲーリー監督は、「来年はできるだけ多くの試合や練習を見て、出耒田(できた)敬、伏見大和ら大型の若手選手を含め、自分の目で確かめた選手を選考し、早い時期から合宿をして自分のやり方になじませたい。海外遠征や、海外のチームを招いての試合も増やしたい」と希望している。
ミュンヘン五輪金メダル監督の松平康隆氏が指導者になるために旧ソ連にバレー留学をした1962年、全日本男子はヨーロッパ遠征を敢行し、22戦して22連敗した。同時に遠征した全日本女子は22連勝。「日本男子バレーはクズである」と新聞各紙に書き立てられたと聞く。女子がロンドン五輪に続いて銅メダルを獲得し、男子が最下位に終わった今回のグラチャンはまさにそれを彷彿させる。今の日本男子バレーは松平氏が男子のスタッフに就任する前の焼け野原と同じだ。
何度も言われてきたが、過去の栄光は捨て去って、現在自分たちがバレー後進国であることをきちんと認識し、また一からやり直すしかない。参加選手の中では最年少の千々木(ちぢき)駿介は「よく世界と同じ事をやっていては勝てないっていうけど、僕は最近、それは違うと思うんですよね。世界がやっていることを、今の日本はやれていない。まず世界のスタンダードをやれるようにならなければ。その先に日本オリジナルも見えてくると思うんです」と語っているが、その通りだろう。
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