錦織圭、全仏1回戦で待ち望んだ対戦が実現 アルカラスとは「遊び心あふれる」似たもの同士 (3ページ目)
【年下の元世界1位との対戦は初めて】
今季、すでにモンテカルロとローマのマスターズ2大会を制し、ナダルが保持した「赤土の王」の称号を継承するアルカラスだが、プレーのテイストはむしろ、錦織と似ていると言えるだろう。
ドロップショットや股抜きショットなど、遊び心あふれるプレーを好むのも共通項。錦織が進めた時計の針の先で、世界を制したのがアルカラスだ。
思えば、キャリアの大半を「ビッグ4」時代に生き、常に年長者に挑んできた錦織にとって、年下の「世界1位経験者」と対戦するのは、今回が初めての経験でもある。
一時はランキング外となった錦織と、早くもテニス史に名を刻む若き王者の邂逅(かいこう)。それは本人にとって、そして見る者にとってもあまりに甘美で幸運な、一瞬の足跡の交錯である。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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