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錦織圭も「あのテニスがどこまで通用するのか?」と注目する20歳 伊藤あおいはトリッキーなスタイルで我が道を行く (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki

【ランキングトップ100入りも間近】

 その石井と伊藤は、プロ登録した時期もほぼ同じ。ただ伊藤は「私は誰にも知られずひっそりプロ登録しましたが、石井さんは大々的にプロ転向記者会見もやっていて......」と、少しすねたように口を尖らす。中学卒業後に海を渡って米国のIMGアカデミーを拠点とした石井に対し、伊藤はコロナ禍もあってジュニア時代の海外遠征経験はほとんどなし。

 そんな彼女が、今年は早くも海外9大会に出場し、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)やベリンダ・ベンチッチ(スイス)らトップ選手とも対戦を重ねてきた。

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── 先ほど「ジュニアの頃はザコでした」と言っていましたが、いつから上昇気流に乗ったのでしょう?

「今もザコいです。今年もWTA1000(グランドスラムに次ぐハイカテゴリー大会郡)の予選でしか勝ってないんです。本当に予選しか勝ててない。本戦は一回も勝ってないので、悲しいです。マイアミオープン1回戦は、かなりがんばりました(ローレン・デービスに4-6、6-3、4-6で惜敗)。あれに勝っていたら、ランキングトップ100に行けてたんですけどね」

── トップ選手たちばかりが集う選手ラウンジにも慣れましたか?

「いや、居心地は悪いです。そもそも私がツアーの会場にいること事態、すごい場違い感なので」

── では、今回の長期海外遠征で得た収穫は?

「ごはんが食べられたこと!(即答)」

── 偏食なのに会場のレストランで食べるものがあったということですか?

「はい。バイキング形式のところが多かったので、なんとかなりました」

── 体調面はどうでしたか。以前、遠征から戻るとよく熱を出すと言っていましたが?

「ただでさえ、季節の変わり目は苦手なんです。マイアミオープンのあとにドミニカの大会に出たんですが、思いっきり体調を崩して倒れまして。いちおう試合には出ましたが、結果はボロボロ。体がもろくてすみませんってなりました」

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