伊達公子が日本テニス界に切実な危機感。「変えるなら今。これがラストチャンス」 (2ページ目)
変えるなら今だ、とも思っています。30年ほど前に日本で増えた砂入り人工芝のコートが、今、どこも大掛かりな改修が必要な時期に来ている。それらの場所で『今後どうしようか』となった時に、ハードコートの必要性を感じてもらえる機運は以前より強くなっていると感じています。
すごく前向きに検討していただいているので、ここからいい形で転がり始めるのかなという感触もありました。これがうまく動いていけば、日本のテニスもよい環境になり得るかなと思います」
そのように環境面の整備に尽力すると同時に、ハードコートでの実地的な育成を試みるのが、伊達プロジェクトの眼目でもある。
その伊達プロジェクトは、4人で始めた2年間の第一期が終了し、昨夏に8名から成る第二期がスタートした。
二期生のなかには昨年終盤で複数の国際ジュニア大会を制した木下晴結のように、急成長中の選手もいる。選手のレベルが上がるなかで、現実的な世界への順路として、愛媛県と岐阜県にジュニア国際大会も新設した。
"指導者・伊達公子"の現在地とは?
「毎回、いろんな気づきはありますね。当然、これまでの私は選手だったので、指導者として勉強してきたわけでもない。気づきがあるのは当然だし、その都度、わかったことを取り入れながらやっています。
そのなかで今回は木下さんみたいに、レベルの高いジュニアがプロジェクトに入ってきました。その時に必要なのは、もっとグレードの高い大会の設立なのか? そして、現実的に彼女がグランドスラムジュニア予選に出られそうななかで、どうサポートしていくのか? オンコートの指導だけでなく、遠征のサポートなどの必要性も、彼女が現れたことによって考え始めたことです。
ジュニアの国際大会を作ったのも、年間4回(2年で8回)の強化合宿で目的を達成する難しさを感じてきたなかで生まれた動きでした。今後は、それら大会でどうポイントを取らせるのか、そしてポイントを取れた選手をどうサポートしていくのか? 私たちのやるべきことにも変化は生まれています。
2 / 5