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ダニエル太郎流、コロナ禍への対処法。
目指すテニスを求め追い込む日々 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 そのスポットライトは、ダニエルにとって「失いたくない」と感じる、心地よい輝きだった。

 だが、光射すところには影も生まれ、影は彼の視界を覆っていく。

 一度達した地位から落ちたくないとの思いは、恐れとなり、心を圧した。より上に行くため攻撃的なプレースタイルを標榜するも、それが具体的にはいかなるものか、明確な像を結べない。

 それらの苦しみを経た末に、彼は新たなモチベーションを得て、今シーズンを迎えていたという。2月初旬にはオーストラリア開催のATPチャレンジャー(ツアー下部大会)で優勝し、進む方向が正しいとの確信も得ていた。

 だが......自信を携え向かったアメリカ・カリフォルニア州で、彼はBNPパリバ・オープンを含めた、向こう6週間のツアー中断の報を耳にする。

「あの時は、日本からメキシコの大会に行って、そこからアメリカに入ったんです。まだアメリカはリラックスした雰囲気で、ツアーにまで影響が出るとは、誰も思っていなかったと思います。

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