かつての天才少女・森田あゆみ。
幾度の手術と失意も「テニスが好き」 (4ページ目)
患部の痙攣は、疲労が溜まると時折起きることだが、本人は「もう少し時間はかかるだろうけれど、治ると思う」と淡々と語る。
一度は完全に消失したランキングは、現在は800位台。今後、「可能なかぎり試合に出て行きたい」という彼女が当面の目標に掲げるのは、「来年中にはグランドスラムの予選に出ること」だ。
復帰までに要したあまりに長い時間は、踏破したプロセスや苦難の記憶を薄れさせつつある。
だが、身体に残る全盛期の記憶と、勝利の瞬間の歓喜は忘れることがない。それらの確かな道標があるかぎり、彼女はかつていた地点を目指して走る。
4 / 4