チチパス優勝で世代交代は加速する。錦織圭は来季復活なるか正念場だ
ATPファイナルズの優勝トロフィーを掲げるチチパス。初出場で見事初タイトルを勝ち取った 男子プロテニスツアー最終戦、Nitto ATPファイナルズ(イギリス/ロンドン)の決勝で、ステファノス・チチパス(6位、ギリシャ)が、ドミニク・ティーム(5位、オーストリア)を6-7、6-2、7-6で破り、ツアー最終戦初出場で初優勝を成し遂げた。2時間36分を要し、ファイナルセットのタイブレークまでもつれた決勝は、2019年の最後を締めくくるにふさわしい名勝負となった。
チチパスの21歳3カ月での初優勝は、大会史上6番目の若さでの戴冠となる。
「ファイナルズに参加できた経験が自分にとっては大きなことだったのに、今、自分がチャンピオンになって優勝トロフィーを手にできたのは、本当にすばらしいこと」(チチパス)
これで2019年シーズンのツアーでの個人戦は終了したが、今季を振り返る時、いわゆるテニスの"ビッグ3"の存在抜きではもちろん語れない。
33歳のラファエル・ナダル(1位、スペイン)が、ローランギャロス(全仏)とUSオープン、32歳のノバク・ジョコビッチ(2位、セルビア)が、オーストラリアンオープンとウインブルドンで優勝して、グランドスラムタイトルを2つずつ分け合う形になった。
加えて、38歳のロジャー・フェデラー(3位、スイス)が、ウインブルドン準優勝やローランギャロスベスト4という結果を残したうえ、ウインブルドン準決勝でナダルを、ATPファイナルズでジョコビッチを倒し、今も高いレベルのテニスを保っていることを示した。
さらに、ナダルは、33歳で2019年シーズンの年間ナンバーワンとなり、これは1973年以降の現行ランキング史上で最年長記録となる。
「すばらしい年になったということを、この(年間ナンバーワン)トロフィーは表していると思います。このトロフィーを得たことによって、個人的に大きな満足が得られています」
ナダルにとっては5回目の年間ナンバーワンとなるが、これは、フェデラー、ジョコビッチ、ジミー・コナーズ(アメリカ)と並ぶ史上2位タイ記録となる。
2004年以降、2016年にアンディ・マリー(イギリス)が年間ナンバーワンになった以外、フェデラー、ナダル、ジョコビッチが5回ずつ年間ナンバーワンを取り合っている。この偉業は、まさに"ビッグ3"が、16年間の残したすばらしい足跡だろう。
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