松岡修造が望月慎太郎を語る
「プレーはジョコビッチタイプ。武器は...」
望月慎太郎への期待は大きいが、松岡氏、盛田氏は見守ることの大事さも語る 望月慎太郎が、ITFジュニアランキング1位になってから初めて臨んだグランドスラム・USオープンでは、トップシードとして出場したが、残念ながら2回戦敗退という結果に終わった。2回戦では、第2セットのタイブレークでマッチポイントがあったものの、「完全に意識してちょっとビビったかな」と望月の言うとおり、取りきれなかった。
さらに、ファイナルセットでは左足にけいれんを起こして力尽き、敗退が決まった瞬間に、悔しさのあまりラケットをコートに叩きつけた。
最近あまり体調がよくなかったという望月は、「それで負けたわけではないです」と気丈に振る舞った。ウインブルドン・ジュニアの部で優勝しても、ジュニア男子の頂点に立っても、自分は何も変ってないことを強調した。
「いつも挑戦者の気持ちでやっているので、みんな自分のライバルだし、ランキングが上がったからどうとかはまったく(関係)ないです」
この望月の戦いをスタンドから見守っていた松岡修造氏に、改めて16歳でグランドスラム・ジュニアの本戦の舞台に立てていることの価値を聞いてみた。
「まだ16歳ですから。普通の16歳は、グランドスラムの本戦に出たらすごいことですよ。ジュニアとしては、あと2年の活動期間が残されているのですから。変な言い方かもしれないですけど、今日負けたからといって、一喜一憂はしない。彼のテニスがダメになったとか、そういうことではなくて、彼が進んでいくための過程の一つであり、今学んでいる最中なのです」
望月(ITFジュニア男子ランキング2位/9月9日づけ)は、グランドスラム・ジュニアの部の初挑戦にあたる2019年ローランギャロス(全仏)で、いきなりベスト4。続くウインブルドンでは初出場ながら初優勝という快進撃を見せた。ただ、松岡氏は望月の快挙を喜ぶ一方で、決して厳しい姿勢は崩さない。ジュニアは通過点であって、あくまでもその先にある厳しいプロの世界を見据えているからだ。
「まさか優勝するとは。彼(望月自身)だって予想していない。これはすごいことなんです。ただ、僕はプロになった時が大事なので、喜びはするけど、心底から喜んでいないです。ひとつの記録としては残ることなんですけど、そこですごく喜ぶかといったらそうでもない。ジュニアはプロに上がっていく段階の一つですから、やっぱりプロになってからが本当の勝負です。皆さんにはっきり言いたいのですが、そんなに騒ぐな、ということです。じっと見守ってほしい」
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