大坂なおみは東京五輪に出場できるか。
日本女子テニスの新たな問題 (3ページ目)
プロテニス選手がオリンピックに出場するには、オリンピックとオリンピックの間の4年で、国別代表戦に3回出場しなければならない。さらにそのうちの1回は、オリンピックの1年前、あるいは開催年に代表としてプレーしなければならない。
大坂は、すでに2017年2月のアジア・オセアニアゾーンIでの地域予選と、2018年4月のWGIIプレーオフ・イギリス戦に出場しているが、東京オリンピック出場条件のためには、あと1回、国別代表戦でプレーしなければならない。
ただ、ワールドツアーが確立しているプロテニス界にとって、4年に1回オリンピックは、最高峰の大会ではなく特殊なイベントである。
オランダのエースであるキキ・バーテンズ(7位)も、大坂同様、今回は代表を辞退していた。両国ともエース不在の状況を、ハールヒュース監督は「選手が普段の個人戦の厳しいスケジュールの間を縫って代表戦をこなすとき、そのバランスを保つのは難しい」という見解を示した。
「まず、選手はランキングによって判断されます。それが、最も大切なこと。それを踏まえてスケジュールを立て、どの大会でプレーするのがベストなのか決める現状です。ランキングが上がった選手は、フェドカップやデビスカップ(男子国別対抗戦)に召集されるようになり、当然こなさなければいけない試合数が増えます。国のためにプレーしたいかどうかは一人ひとりの選手が決めるべきだと考えています」
大坂は世界ナンバーワンになり、当然スケジュール管理が厳しくなる。
この局面を土橋監督は、「新しいステージに日本も来たのかな。日本にとっては大きな経験だと思います」と、"うれしい悲鳴"であることを強調した。
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