錦織圭が恥ずかしがる自らの演技力。
千両役者の本領発揮で難敵を攻略 (3ページ目)
だが、コートを離れ、手にした紙パックのジュースをストローで飲みながら会見席に座る彼は、まだどこか自分が座すその地位に居心地の悪さを覚えているようですらある。スターアスリートにプレーを見られることに関して問われても、「いや、見られているという意識はあんまりないですね、まだ......」と困ったような笑みをこぼした。
コート上の演技力と、コートを離れたときに見せる、あまりに自然体で素朴な佇(たたず)まい。
それら両極端とも言える得難い資質を両輪とし、錦織は次なる戦いへと挑む。
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