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相手も驚く動きの速さ。
錦織圭が格の違いを見せジャパンOPベスト4へ

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

錦織圭らしいテニスで戦い、準決勝に勝ち進んだ錦織圭らしいテニスで戦い、準決勝に勝ち進んだ 勝利を決めた瞬間、錦織圭は、マイケル・チャンコーチたちに向かって、右手を高く上げて力強く拳を握ってみせた――。

 楽天ジャパンオープン準々決勝で、第3シードの錦織(ATPランキング12位、10月1日づけ/以下同)は、第5シードのステファノス・チチパス(15位、ギリシャ)を、6-3、6-3で破り、3年ぶりにベスト4へ進出した。

 20歳のチチパスは、1年前のジャパンオープンでは115位で予選を勝ち上がって、1回戦で敗退していたが、ここ1年で急成長した選手だ。

 今年の4月にATPバルセロナ大会で準優勝して頭角を現すと、8月上旬のマスターズ1000・カナダ大会では、決勝でラファエル・ナダル(当時1位、スペイン)に敗れたものの初めて準優勝を飾った。決勝までに至る過程で、2回戦でドミニク・ティエム(当時8位、オーストリア)、3回戦でノバク・ジョコビッチ(当時10位、セルビア)、準々決勝でアレクサンダー・ズベレフ(当時3位、ドイツ)、準決勝でケビン・アンダーソン(当時6位、南アフリカ)に勝ち、4連続でトップ10選手を破る離れ業をやってのけた。

 これまで錦織とチチパスは練習を1回しただけで、初対戦の難しさがあるのではと予想されたが、準々決勝では、若いチチパスよりはるかに経験豊富な錦織が、格の違いを見せつけるようなテニスを披露した。

「なるべく速い展開でプレーできたので、それがよかったのかなと思います」と語った錦織は、ベースラインからコートの中へステップインして攻撃的なストロークを打ち、常にラリーの主導権を握ると、チチパスは全くついていけなかった。

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