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攻撃はボディブローのよう。
今も昔も変わらぬ大坂なおみの勝負哲学 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 あるいは、第2セット序盤で逃したブレークチャンスについても、ストリコバは「私は攻めたが、最後は彼女が上回った」と振り返る。

「だから、後悔はない」

 口もとに笑みをも浮かべ、敗者はそう明言した。

 対する試合後の大坂は、まずは相手の強さを称え、なおかつこの日の自分にミスが多かったことを認めつつも、「すべての試合で完璧なプレーをするのは、不可能だとわかっている。イライラすることもあったが、状況を受け入れ適応していった」と述懐する。

 できないことに目を向けるのではなく、与えられた状況下で全力を尽くす――。それこそが、大坂が過去の敗戦と勝利の集積の中から学び取った、最大の勝負哲学だろう。

 出場したすべての大会で優勝を目指す姿勢は、今も昔も一貫して変わらぬ、大坂の勝負哲学だ。ただ、今の彼女が以前と異なるのは、先々に視線を泳がすことなく、目の前の試合のみに焦点を合わせること。

 準決勝の、カミラ・ジョルジ(イタリア)戦――。今の大坂が目を向けるのは、初めての顔合わせとなる、この一戦のみである。

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