大坂なおみ、ついに憧れのセリーナ戦へ。
新たな時代の扉は開かれるか (2ページ目)
セリーナとビーナスのウィリアムズ姉妹は、1歳半年長の姉を持つ大坂にとって、テニスキャリアの原点でもある。
「私の父はウィリアムズ一家の影響を受けて、私たちをテニスコートに連れていったの。だからあのふたりがいなければ、私たちはテニスをしていなかったと思う。それに彼女たちは、パワーを持ち込みテニスの有りようを変えた。私も、彼女たちのプレーを参考にしたからここまでこられた」
昨年の10月にビーナスを破ったとき、大坂はウィリアムズ姉妹がいかに大きな存在であるかを、そのように語っていた。わけても"大坂姉妹"の妹である大坂は、同じく妹であるセリーナに自分の姿を重ねていたのだろう。
そのセリーナと初めて直(じか)に出会ったのは、2014年のスタンフォード大会でのことだった。大会に予選から出場した当時16歳の大坂は本戦に勝ち上がると、初戦で世界19位のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)を激戦の末に打ち破る。
この勝利で一躍、大会の注目選手に躍り出た大坂は、セリーナとも顔を合わせる機会を得た。とはいえ、シャイな大坂は憧れの存在を目の前にして、「自分から話すことはできなくて......」という状態。そのような大坂の心を見抜いたか、会話の口火を切ったのはセリーナのほうだった。
「本当に大阪生まれで、オオサカという名前なの?」
「今はどこに住んでいるの?」
アイドルから向けられる質問に、大坂が「本当に大阪生まれで、今はフロリダのフォートローダーデールに住んでいる」と答えると、セリーナは明るい声を上げた。
「フォートローダーデールに住んでいるの? だったら、ご近所さんじゃない!」
えっ!?......と思わず、大坂が驚きの声をこぼす。こんなに憧れているセリーナが意外と近くに住んでいる事実を知らなかったことを、彼女は恥ずかしく思った。
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