ツイッターをやめたら嫉妬も消えた。日比野菜緒の有意義な準優勝 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 そんな彼女の内面に近ごろ、変化があったという。

「周りの人が勝とうが負けようが、自分のランキングに影響があるわけではない。同期の子たちへの評価が上がることで、自分の評価が下がるわけでもない」

 だからこそ、周囲の声を気にして消耗するのは「もったいない」ことだと悟る。

 ツイッターなどもやめ、雑音からも距離を置いた。すると浮かび上がってきたのは、より明瞭なひとつの真理――。

「今、自分が経験している大変さをわかり合えるのは、同じところにいる人たちだけなんだ」

 その想いに至ったとき、わだかまりや焦燥も、すっと消えていくようだった。先のウインブルドンで同期の二宮真琴がダブルス・ベスト4に勝ち進んだときにも、彼女の活躍の報をテレビで見ながら、「すごい! わたしもがんばろう」と素直に思えた自分に気づく。

「(穂積)絵莉と(加藤)未唯が全豪のダブルスでベスト4に入ったときは、『運がよかったんだよ』という思いもあった。でも、ウインブルドンの(二宮)マコちゃんの活躍で、『彼女たちの活躍はラッキーではない。実力どおりなんだ』と思えた」

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