ツイッターをやめたら嫉妬も消えた。日比野菜緒の有意義な準優勝 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 練習や試合態度を改め、コーチの言葉に真摯に耳を傾けて戦術を磨き、5月から7月にかけてITF3大会で優勝。ランキングを100位台前半まで急上昇させると、10月のタシュケント・オープンでツアー本戦2大会目にして優勝の快挙を成し遂げた。

 これを機に「トップ選手の指標」とも言える100位以内に定着した日比野は、以降はツアーを主戦場とし、今回4度目の決勝進出を果たしたのは先述のとおりだ。

 しかし、3度目の正直を目指した江西オープン決勝は、結果的には彼女に優勝の難しさを三度(みたび)味わわせる苦杯となる。試合立ち上がりの日比野は、緩急を用いながらコーナーを突く配球で実力者の彭帥(ポン・シュアイ/中国)を振り回し、ミスを誘ってリードに成功。だが、相手が粘り強く守り始めると、先に攻めなくてはと「焦り」が出た。いずれのセットもミスが重なりブレークを許すと、挽回の機は訪れぬまま、4度目の決勝は幕を閉じた。

 敗戦後の彼女はその理由を、アウェーの環境や心理面に求めはしない。それでも、「決勝の回数を重ねるごとに、気負ったり、優勝の重みを感じるようになった」ことは認めている。

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