錦織圭は南米へ。「好きにならざるを得ない」クレーの連戦は吉と出るか (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 それまでは「どうポイントを獲ればいいかわからず、苦手意識しかなかった」という赤土で、チャンは錦織に、前に踏み込みバウンド後の早いタイミングでボールを捕らえ、相手に先んじて球を前後左右に散らす新たなイデオロギーを授けた。また、球足が遅いためサーブの優位性が薄れるコートでは、ビッグサーバーと対戦したときでも「リターンでイーブンに持ち込み、ストローク戦へとつなげられる」という精神的余裕も生まれる。

「これだけ結果が出ると、好きにならざるを得ない」

 昨年の全仏直前、錦織は赤土への想いをそう打ち明け、照れたような笑顔をこぼしていた。

 その5月の全仏までに、今、錦織が目指すのはランキング4位以内に入ること。そうすれば、グランドスラムでも第4シード以上がつき、上位進出への道が開ける。

「好きにならざるを得ない」赤土のロードが、夢の実現へとつながっていく。

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