錦織圭は南米へ。「好きにならざるを得ない」クレーの連戦は吉と出るか (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 そのように、チャン・コーチは続けた。そう......今年の錦織は「ハードコートからクレーコートへの調整」が必要だったため、なおのこと、全豪直後にインドア・ハードコートで行なわれるデビスカップに出るのは難しかったのだ。

「圭には時間が必要だ。彼は今まで、日本だろうが海外だろうが、どこで開催されても日本のためにデビスカップに出ていた。ただ今回は、全豪後に練習する時間が必要だ。長い視野で見たとき、今回のデ杯欠場は致し方ないものだ」。チャン・コーチは、そのようにも説明した。

 また、リオからインディアンウェルズまでの間に約10日間、再調整できることも今年のスケジュールの利点。

「次に大切になるのは、インディアンウェルズとマイアミの2大会。クレーからふたたびハードへと変わることになるが、その適応の時間も十分ある。しっかり準備してから、マスターズに入っていけるだろう」

 インディアンウェルズの前には、チャン・コーチをはじめとするチームスタッフが全員揃ってトレーニングや調整ができる。それら時間的余裕も考慮したうえでの、今年の南米ルート選択だ。

 クレーコートは、錦織がチャン・コーチに師事し始めた3年前から現在までに、もっとも大きな成長の足跡を刻んできたコートサーフェスである。

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