錦織圭のデ杯欠場に、植田監督、M・チャンほか、それぞれが思うこと (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「出てほしい気持ちはもちろんありました。ただ、圭が今年に賭けて、トップを目指す中で大会スケジュールの見直しをして、南米のクレー(ATPブエノスアイレス大会とリオデジャネイロ大会)を優先して、そっちに出てみたいということでした。僕は十分理解できました。(錦織は)デ杯に対する気持ちは人一倍あって、それだけのことをやってくれた。フランスとやる大切さももちろんわかっている。その中で決断したという本人の意思を尊重しました」

 かつて錦織と一緒に戦った元日本代表メンバー添田豪(138位)も、32歳のベテランとして錦織の決断を支持している。

「彼にとってはいい判断だと思いますし、全豪があって、次にデ杯となると、この時点でかなり体力を消耗してしまう。まだまだこの先1年長いのに、この時点で疲れたり、ケガのリスクがあったりすると、今後に影響すると思います。今まで彼は毎回デ杯に出てくれて、日本のために戦ってくれたので、そういった意味で、今回出なかったことで僕らに不満はないです」

 フランス戦では、錦織の代わりに日本代表のシングルス1を任されることになった22歳の西岡良仁(85位)も錦織に理解を示し、若手の自分を抜擢してくれた監督の期待に応えようとしている。

「仕方がないとは思いますね。正直、テニス選手は(シーズンが)1月から始まって11月まであるので、全部出るわけにはいかないですし、どこかで休まないと。デ杯はすごい力を使うというか、気持ちの面でも、いろんなものをすごく消費する。だからこそ出る価値がもちろんあるんですけど、疲れは間違いなくくるので、仕方のない選択だと思います」

 また、錦織に帯同しているマイケル・チャンコーチも、錦織の負担を考えると、やはりやむを得ない決断だろうと考える。

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